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足と靴の医学 / 整形外科医師 : 町田英一
2017年10月15日更新

扁平足に関する質問集

なんとなく扁平足だと思うのですが、どうなったら扁平足と言えるのですか?
 実はハッキリした区別の仕方は無いのです。 足の縦アーチが落ちたのが扁平足です。

 骨の形に明らかな異常があって起こるのは先天性扁平足と呼び、稀な病気です。一方、足の1つ1つの骨の形は普通で、並び方が異常なのを静力学的扁平足と呼びます。圧倒的に後者の方が多く見られます。簡単に見分けるには、土踏まずが無い事です。
 立った状態で横から足のレントゲン写真を撮って見ると、ハッキリします。

   扁平足のフット・プリントです。

扁平足ではどんな事が困るのでしょうか?
 扁平足の人は大変に多いのですが、扁平足で困っている人は極めて稀です。扁平足でも普通は短距離走は問題なく、逆に速い人もいますが、一般に長距離には弱いとされています。

 ところがマレに、強い痛みがあることがあります。例えば、有痛性外脛骨、つまり足の土踏まずのアーチの頂点にある、舟状骨が出ている事があります。外脛骨は2-3割の人に見られますが、時に痛みがあります。この患者さんは18歳の女性で靴が土踏まずに当たり、痛みが有ります。

これは上の有痛性外脛骨の例のレントゲン写真です。足の舟状骨の一部が分離して出っ張っています。整形靴を調整することで痛みなく歩けるようになりました。手術が必要になるのはごく稀です。


子供が扁平足で心配です。将来大丈夫でしょか?
 3歳位までは、土踏まずが無いのが普通ですから、3-4歳までは心配ありません。この年齢の子供の土踏まずには脂肪がついていて扁平足のように見えます。その後、3歳頃からアーチが出来てきます。幼児では土踏まずが無くとも、何の問題も無いのですが、立った時に、後ろから見て、アキレス腱が外側に「く」の字型に曲がっている場合には要注意です。これは踵骨外反と呼び、20度以上では中敷きを入れた方が良いと思います。

 扁平足の子供では、同い年の子供と比べて、足が疲れることがあります。子供が変におんぶ、だっこを求める場合にはチェックしましょう。 疲れ易いなどの症状がある場合には足底板によるアーチサポートを使う方が良いでしょう。

 アーチサポートは矯正の意味よりも、足を良い形に支えてあげて歩き易くするのが目的です。中敷きを使うか使わないかについて色々な意見がありますが私は使った方が良いと思います。

扁平足が問題になったのはいつ頃からですか?
 ラテン語で外反扁平足はpes plano valgus (pes=足 plano=扁平 valgus=外反)と呼びます。扁平足は第2次世界大戦前に、歩兵の徴兵検査の時に問題になりました。陸軍軍医の森鴎外がドイツに留学してバルグスとして扁平足を紹介しました。森鴎外が紹介したバルグス、つまり外反足が問題なのですが、徴兵検査の時に土踏まずをチェックすることになり扁平足が有名になってしまいました。ところが医学的に重要なのは外反の程度なのです。

 日本以外でも各国の軍隊で研究されています。ところが、カナダの軍隊の研究では扁平足でも特に問題が無いと報告されています。ほとんどの場合には特別な治療の必要はありません。踵のしっかりした靴、アーチサポートの入った靴を履いて良く歩き、筋肉をつけることが治療です。

扁平足を防ぐ運動は有りますか ?
つま先立ちと後脛骨筋運動をお奨めします。  足の内側の縦アーチの頂点は舟状骨です。舟状骨を引っ張り上げているのは後脛骨筋ですから、後脛骨筋運動をお奨めします。

扁平足に中敷き、アーチサポートは必要ですか?
 絶対に必要とは思いませんが、アーチサポートのついた中敷きがあると歩いたり、運動が楽になりますから中敷きを使った方が良いと思います。「中敷きに頼ってしまうので必要ない。」とする意見もありますが、中敷きによって矯正されて治る訳ではありません。それよりも、踵をしっかりとホールドする靴が必要です。

扁平足は遺伝しますか?
 遺伝的要素もあります。生活環境に左右されるので、運動と靴により改善します。


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