陥入爪と巻き爪に対する世界の治療法2 --- 手術
日本では爪矯正はほとんど行われず、鬼塚法かフェノール法が行われています。世界中で行われている色々な手術方法を歴史を含めて紹介します。私も爪矯正を始めるまで、数十例の爪の手術を行いましたが、この手術は多くの問題点が有ることを強調したいと思います。
爪を狭くする手術に対して根治手術、つまり再発しない手術と呼んでいますが、正常な爪でも原因を作れば巻き爪になります。爪は髪の毛と類似の構造であり、常に伸びていますから、根治治療などは実は存在しないのです。爪矯正の場合、再発しても程度が軽い時期ならば短い期間で矯正されます。爪矯正で一度治癒した患者さんは再発しても、手術を受けようとするは人はいません。
- 部分抜爪(partial nail avulsion)
- 爪トゲの切除 爪のトゲが軟部組織(肉)に刺さると激しい炎症、肉芽が生じます。トゲを取ると、一時的に痛み、炎症は治まりますが、約3週間くらい後に爪が伸びてきて同じように痛みます。
- 爪郭爪母楔状切除術(labiomatricectomy) 爪母から爪の幅を狭くします。
- Emmert-Plasty または Emmet -Platy(Carl Emmert 1884, Emmetは別人、ドイツ語圏での呼称)
- Wattson-Cheyne's operation (1912, Fowler 1958,Mogensen1971)
- DuVries法 (DuVries1959)
- 鬼塚法 (鬼塚1967) 日本での呼称
- フェノール法 (phenolization) (Ross1969, Wee1969,)
- 児島の I 法 、II 法 (児島1978)
- Cul-de-sac obliteration法 (尾郷賢)
- レーザー法 (Matricectomy using laser)
- 全抜爪(total nail avulsion)
爪を完全に剥がします。
- 碓井法 (碓井良弘1982)
- 宇田川法 (宇田川晃一1985)
- 爪床爪郭弁法+後爪郭形成術 (堤正彦1993)
- 人工爪(東1993)
局所麻酔をかけてプラスチック・フィルムをアクリル・セメントで爪の下に張り付けます。
- 皮膚移植によるピンサー・ネイルの矯正 (Brown RE. 2000)
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