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足と靴の医学 / 整形外科医師 : 町田英一
2017年10月15日更新

整形靴に関する質問集

整形靴って何?
 整形靴とはオルソベディー・シューズ、ドイツ語のオルトベディー・シューエの直訳です。整形靴とは、「整形した靴」です。正確に言えば、「各個人に合わせて、医療目的で整形した靴。」のことです。市販の既製靴としてコンフォート・シューズがありますが、これを材料として整形すれば整形靴と呼びます。医療目的に限りますから、お洒落な飾りを着けた注文靴、使い古して修理した靴は整形靴とは呼びません。

 整形靴はコンフォート・シューズを整形した簡単なものから、木型から作った注文靴まですべて含んで呼ばれます。

整形靴の種類は?
1.スポーツ・シューズに対する調整
2.厚い中敷きの脱着できるコンフォート・シューズに対する調整
3.注文靴
4.注文靴とイン・シュー
があります。

1.スポーツ・シューズの調整
 運動用に市販されている紐靴、またはベルクロ(マジックテープ)の靴を調製します。病院で働いている、日本のほとんどの義肢装具士が行っています。例えば脚長差の補高では、患者が持参したスポーツ・シューズに調整を行います。

スポーツ・シューズの写真  子供の扁平足に対して市販の踵がしっかりした、深さのあるスポーツ・シューズを用いて特注の中敷きを入れています。なお、大きめの靴、長さの長い靴に中敷きを入れるのはお勧めしません。深さが必要です。

2.厚い中敷きの脱着できるコンフォート・シューズの調整
整形靴の写真  整形する目的で作られている市販靴を用いて整形靴を作ります。ドイツの整形靴職人(オートベディー・シューマッハ・マイスター)が好んでバルディ社のフィンコンフォート、スイスのクンツリー社の靴などを使います。中敷きが外れない場合には、薄い足底挿板しか入りませんが、厚い中敷きの脱着できるコンフォート・シューズでは、足の状態に合わせて、色々な材質の中敷きを作る事が出来ます。日本の病院にも少しずつ広まっています。

 簡単なのはアッパーのポイント・ストレッチ、中敷きのオーダー・メイドがあります。また、足の変形が強い場合には靴底(アウトソール)の加工も行います。アウトソールは交換が容易です。


整形靴の写真  これは軽症の内反足に対して、紐靴をベルクロ(マジックテープ)に替え、アウトソール(靴底)を縦方向に丸くするローリング加工、外側を厚くする外側楔状加工(ラテラル・ウェッジ)を行っています。また、厚い中敷きもオーダーで作っています。

整形靴の写真  尖足  脳性小児麻痺(CP)により、痙性麻痺、つっぱって踵が持ち上がる状態に対する整形靴です。クンツリー社の靴で、靴の側面にはプラスチックの板が埋め込んであり、シーネが不要になります。中敷きは踵を厚くして、体重が踵にも均一に掛かる様に調整しています。

3.注文靴
 関節リウマチ、切断肢、麻痺性尖足(脳卒中や脳性小児麻痺による)、シャルコー足などのために高度の変形がある時に作ります。ギプスで型どりをして、木型を作り、すべて手作りの靴です。  手間が掛かるので、数十万円です。通常は健康保険の費用で作りますが、患者さんが一部、自己負担する事もあります。身体障害手帳をお持ちの方は補助を申請できる場合があります。

整形靴の写真  尖足  重度の麻痺に対して義肢装具士が作ります。バー付きの靴形装具です。

4.注文靴とイン・シュー
写真  ポリオ後遺症、切断肢、大きな脚長差など重症の場合には、足に合わせたイン・シューを作り、さらにイン・シューに合わせて注文靴も作ります。この写真は足にギプスを巻いて作ったイン・シューのラスト(木型)です。高度な技術が必要です。

 
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