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足と靴の医学 / 整形外科医師 : 町田英一
2017年10月29日更新

マチワイヤ・テクニカル・ティップス (肉芽に対して)


schema of  tube and super elastic wire諸先生方の追試、御意見を戴ければ幸いです。



  1. 巻き爪にはマチワイヤMD(形状記憶合金ワイヤー)、陥入爪にはマチガター

    tube and super elastic wire  マチワイヤMDは巻き爪(弯曲爪)に対して有効であるが、軟部組織内の爪を即効的に出す力は無い。一方、従来の陥入爪に対する治療は、軟部組織内の物理的刺激を減らすだけで、爪を平坦にする力は無い。巻き爪と陥入爪は別の病態であり、両者が合併した時には難治陥入爪となる。

    tama-medical.com (多摩メディカル社) の医師向け情報にリンク

    「医師向けマチガターの使い方 PDF」 多摩メディカル社にリンク


  2. 軽度の陥入爪に対するコットン・パッキング(cotton packing)

    cotton packing  先の尖ったピンセットを用いて、爪甲の角に綿花を詰め込む。爪が短い場合には綿は入らないが、軟部組織を押すだけにして、爪が前に伸びるのに従い、入るようになる。

     爪が薄く軟らかい場合にコットンの量が多いと爪が割れる事がある。割れると爪の角が出来て悪化する事がある。

  3. 肉芽に対する硝酸銀処置(silver nitrate)

    silver nitrate  1-2%のキシロカインを数滴、肉芽に垂らす。米粒大の硝酸銀粒を肉芽と爪の縁の間に置くと、溶けて液状になり、15分くらいで皮膚が黒色になる。硝酸銀の溶けた液が他の部位の皮膚に付くと黒くなるので注意する。黒くなっても数週間で消える。

    着けてから15分くらい様子を見て、ごく希に痛みが強い事があるので水で洗い流す。

     硝酸銀処置は肉芽を乾燥させて縮小する効果がある。ただし、爪の角、トゲによる物理的刺激を減少しなければ効果はあまり無い。コットン・パッキング、できれば tube splinting と併用する。

     炎症の激しい時期には週に1-2回行っている。排膿や侵出液が見られるが、ドレナージされていれば続けて良い。tube が良い位置に入れば痛みは数日で減少、消失するので約1ヵ月は有効である。
    硝酸銀の陥入爪に対する健康保険の適応は無い。

  4. コットン アンド グルー(cotton and glue)

    マチワイヤを入れて、硝酸銀を付け、20分後にcotton packingを行う。thorn(爪棘)が浅い場合にはトゲの先端にコットンが入り痛みが激減する。コットンが入ったら15分間後に指で押してみて痛みがほとんど無くなっている場合には、爪棘に挟んだcottonに外科用接着剤アロンアルファAを染みこませる。爪が伸びるまで交換は必要無い。

  5. ガター法、チューブ に関する文献
    Wallace WA, Milne DD, Andrew T.Gutter treatment for ingrowing toenails.,British Medical Journal.21,168-171,1979

    Nail splinting by flexible tube--A new noninvasive treatment for ingrown toenails,Klaus W. Schulte,Norbert J.Neumann,Thomas Ruzicka,Journal of the American Academy of Dermatology,39,629-630,1998

    Gupta S, Sahoo B, Kumar B.,Treating ingrown toenails by nail splinting with a flexible tube: an Indian experience.,J Dermatol Sep;28(9):485-489, 2001

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