2008年7月9日 更新

第22回 (2008年10月3日-4日)

  日本靴医学会学術集会  


抄録 特別講演 << 間違った靴選び >>

株式会社シュリット
久世 泰雄

 足に何らかのトラブルを抱えている人はとても多いが、その原因の1つとして考えられるのが間違った靴選びである。

 日本人は、甲が高く幅が広い足の人が多いといわれているが、実際はそうでもない。自分の足は幅広だと思っている人も、実際に計測してみると、細くて甲が薄い人が意外と多く見受けられる。
 自分の足の特徴を知らずに、思い込みで甲高の靴や幅が広すぎる靴を選んだり、デザインやサイズだけで靴を選んでいる為に、足にトラブルを抱えている人が多いのが現状であり、このような靴の選び方は、バストやヒップサイズを合わせずに、身長だけで洋服を選んでいるのと同じことである。

 また、靴は本来足を保護し、足の機能をサポートするためのものだが、その機能は足に合った靴選びができてこそ生かされるものであり、足に合っていない靴を履くといろいろな足のトラブルの原因となる。
 たとえば、先の細いパンプスを履き、足趾の付け根を締め付けられて痛みを感じると、幅の広い靴や甲がゆるい靴を選びがちになる。すると、足が前に滑って踵が抜けたり、足趾が靴に当たって胼胝ができたりする。さらに、だんだんと横のアーチが落ちて開張足になってしまい、この開張足を放っておくと、外反母趾やハンマートウなどへつながってゆく。

 靴選びにおいてまず大切なのは、甲の高さや、踵の大きさなど、足の骨格と靴の型をきちんと合わせることであり、さらに足のタイプは千差万別であるため一人ひとりの足の特徴を考慮して選ぶことが必要である。その上で多くの方の望む、美しさやおしゃれ、靴を履く楽しみといった要素を兼ね備えた靴選びができることが理想的である。

2008年7月4日
株式会社シュリット
久世 泰雄


略歴 
1983年アルカ創業 靴の小売開始
日本初の足と歩行をチェックするカウンセリング販売を行なう
ドイツの健康靴を取り扱い、ドイツに数度渡りオートペディシューテクニックを学ぶ
1990年(株)シュリット設立 靴、オートペディ材料などの輸入・卸業務を開始
ドイツ・オートペディシューマイスターを採用し、オートペディ分野に本格参入
靴の小売だけでなく、修理・調整のサービスを開始
1996年日本人マイスターを育成する教育機関(株)フロイデを設立
現在フロイデの代表として日本人マイスターの育成にあたっている アルカグループとして現在、大塚、恵比寿、表参道ヒルズの路面店と日本全国主要百貨店などを中心に31の店舗を構える
  
役職 
FHA足と靴と健康協議会 常任理事
FHAマスターオブシューフィッター
IVO JAPAN日本整形靴技術協会 理事

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