Dr町田_2015_日本臨床整形外科学会_山口県下関市_抄録
dr-machida.com
足と靴の医学 / 整形外科医師 : 町田英一
dr-machida.com  >  ニュース  > 抄録

2015年7月19日、20日 第28回日本臨床整形外科学会学術集会_山口県下関市_抄録

7月20日(月・海の日)第4会場 一般演題20 13:30 ~ 14:10 巻爪・嵌入爪
 

巻き爪矯正治療後の再発予防



町田 英一 (まちだ えいいち)

高田馬場病院整形外科 (Takadanobaba hospital)



【目的】
  近年、巻き爪、陥入爪は形状記憶合金、超弾性合金ワイヤ( マチワイヤMD )による爪矯正が第一選択とされている。しかし、高率に再発し、再度矯正が必要になる。 再発例について検討する。
【方法】
  巻き爪矯正は、1-2ヵ月毎に爪に2カ所穴を開けマチワイヤMDを入れ替えるgradual correctionを行った。症例は2014年までに再発例として治療した28例50足趾、男性5例、女性23例である。
【成績】
IP外反母趾8例、外反母趾9例、扁平足5例、先天性足変形3例、合併症無し3例で外反母趾のうちハンマー・トウ8例合併があった。12例には強い足底胼胝を認めた。18例にはドイツ整形靴に厚い足底挿板を処方した。2例には外反母趾手術、(町田法 : 第1中足骨回転、底屈骨切り、中足骨間固定) を行った。18例の足底挿板のうち8例は歩行距離が伸び、再発までの期間が延長した。2例は爪の先端に挟むクリップ式の爪矯正具を使用し改善した。
【結論】
巻き爪矯正後に1-2ヵ月後に再発するのは矯正不足と考えられる。しかし、1年以降に再発する例では母趾に足底から掛かる力が弱く巻き爪になると考えられる。外反母趾では母趾が回旋して爪が背側を向かずに内側を向く。扁平足では踵部の外反により母趾に力が入り難くなる。特にIP外反母趾は通常のMP外反母趾より原因になり易い。巻き爪は形成外科、皮膚科、外科も治療しているが、足趾の巻き爪に伴う陥入爪は歩行に大きな障害になり、ロコモティブ・シンドロームの一因となる。巻き爪の治療にあたっては足部の整形外科疾患にも留意する必要がある。

 マチクリップは自分で取り外しができる。軽度から中等度の巻き爪矯正に適している。また、重症例はマチワイヤMDで矯正し再発を予防する目的にもマチクリップは適している。爪の厚さ、羽原よりワイヤ部の太さと幅を選ぶ。
dr-machida.com 2015年6月11日更新