dr-machida.com 足と靴の医学 / 整形外科医師 : 町田英一 | Menu |
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陥入爪と巻き爪に対する世界の治療法1---爪矯正世界中で行われている色々な保存療法(手術以外の方法)を歴史を含めて紹介します。太字は著者が現在、行っている方法です。マチプレートMD (形状記憶合金プレート)、マチワイヤMD (超弾性ワイヤー、形状記憶合金ワイヤー)の詳細は多摩メディカル社のホーム・ページを御覧ください。
○利点: 細菌を強力に抑制する薬です。爪の角の物理的な刺激でおこる陥入爪では極く限られた期間だけ使うのが良い方法です。 ×欠点: 原因となっている爪の角が刺さっているのを放置して、漫然と使い続けると耐性菌が発生する危険があります。つまり、薬に弱い細菌は死に、強い細菌が増えてしまいます。特にMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ状球菌)が発生すると、特別な抗生物質しか効きません。MRSAは元気な人にはなんでもない菌なのですが、体力の無い人、弱い場所には危険な細菌です。
○利点: 痛みと腫れを減らします。痛みが特に強い期間だけ使うのが良い方法です。 ×欠点: 原因となっている爪の角が刺さっているのを放置して、漫然と使い続けると胃腸障害などの副作用があります。
○利点: 安価で有効です。副作用は無く、薬による痛みも有りません。止めれば元の硬さの爪に戻ります。 ×欠点: 爪が軟らかくなるまで時間が掛かり、やや面倒です。
滅菌水、生理食塩水で肉芽を湿らせて、硝酸銀をピンセットでつまみ、30秒間くらい接触させます。1-2時間で塗った皮膚が黒くなります。コットンパッキングを行って、肉芽を少し押して小さくします。 正常な皮膚に硝酸銀の溶液が着くと表面の色が黒くなりますが特に悪影響はありません。なるべく早く水で洗い流してください。4週間くらいで色は落ちます。 ○利点: 凍結法よりも痛みが少なく、麻酔は必要ありません。肉芽が小さくなるので、膿、浸出液に対するドレナージ効果が期待できます。 ×欠点: 硝酸銀の量が多いと少し痛みます。皮膚、爪の色が一時的に黒くなります。爪を平らにする作用は無いので、爪の角が肉から出なければ肉芽はなくなりません。
○利点: 自分で簡単に出来ます。 ×欠点: 綿を詰めすぎて爪が割れると、その手前の角が刺さり一時、悪化してしまいます。
爪の形は変わりませんが、一時的な処置としては大変良い方法です。 詳細は肉芽の処置をご覧ください。 ○利点: 数日で爪周囲の炎症が消退します。コットンパッキングを数日間行った後ならば、局所麻酔無しで入れる事もできます。 ×欠点: 通常は局所麻酔が必要です。時々、脱落する事があります。一時的に炎症を抑えますが、爪の形は変わらないので短期間で高率に再発します。
○利点: 安価です。処置料込みで1枚4,000 円で行われています。 ×欠点: 貼るのに手間と時間が掛かります。矯正力が弱く、持続しません。
○利点: 頻繁にループを捻れば強力な矯正力があります。ドイツではフスフレーガー(フット・ケアー)が行っています。ドイツで一時健康保険が適用されたのですが、経済により自費となっているそうです。 ×欠点: 矯正力が持続しません。トランペット型に巻いている場合には装着時に痛みがあります。装着は難しく、研修を受けた人が行います。日本では処置料込みで1指15,000 円程度で行われています。
弾力のある金色の金属製板バネをワイヤーを爪の縁にかけて、爪を矯正します。 ○利点: ドイツではフスフレーガー(フット・ケアー)が行います。 ×欠点: 矯正力が持続しません。トランペット型に巻いている場合には使えません。
○利点: 常温では軟らかい板バネなので爪が短くても簡単に貼れます。温めると矯正力が回復します。再使用できます。 ×欠点: 矯正力がマチワイヤよりも弱い。材料が1枚、1指で2,000円で再使用できます。
○利点: 装着は5分間くらいと簡単です。矯正力は数カ月間持続しますから、1-2カ月ごとに取り替えます。再使用はできません。細いマチワイヤーMDを用いれば、手指や足の母趾以外にも使えます。 ×欠点: 爪が伸びて白いところが無いと使えません。矯正力が強すぎて爪が横に割れることがあります。その場合にはコットンパッキングをして爪が伸びるのを待ち、再び行います。 ホームに戻る / 次のページは陥入爪・巻き爪の世界の治療法2 --- 手術 .... |