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| リスフラン関節症とは? |
この写真は外反母趾に伴って、足の甲の骨が隆起している例です。この方は外反母趾の痛みは無く、リスフラン関節症の痛みが強いです。| リスフラン関節はどこ? |
リスフラン関節とは5つの足根中足関節の総称です。(日本整形外科学会用語集より) リスフラン関節は足の縦アーチの中心近くにあり、体重の負荷により強い力を受けます。特に扁平足、外反母趾になると足のアーチが下がりますので変形、痛みが出ます。
X線写真ではリスフラン関節は5本の中足骨と楔状骨、立方骨の間にあります。| リスフラン関節脱臼とは? |
X線写真で患側、右足のリスフラン関節が開いています。軽度のリスフラン関節脱臼で良く見ないと判りません。歩くと強い痛みがあります。| 変形性リスフラン関節症の症状は? |
骨の隆起が神経(深腓骨神経)を圧迫すると、その神経の支配領域にしびれ、知覚鈍麻を生じます。この写真の横線部が支配領域です。
リスフラン関節の部分に骨の隆起があります。触ってみて、骨隆起が骨棘 (こつきょく) つまり先端が尖っている場合には強い痛みが有ります。| 変形性リスフラン関節症の診断は? |
上の症例のX線写真では、岩の様に不規則にリスフラン関節のフチの部分に骨の隆起があります。
CT画像です。右足は背側に大きく骨隆起があります。
同じ例の3D CT画像です。3Dで観察すると、どの部分が隆起しているかがはっきりと判ります。
18歳 女性のX線写真です。若い方でもリスフラン関節症になります。ハイヒールが原因と考えられます。
MRIではリスフラン関節の極めて強い変化が見られます。 ところが、X線写真の変化は僅かなので見逃される事が多いです。| 変形性リスフラン関節症の靴による治療は? |
外反母趾、扁平足ではリスフラン関節に強い力が集中しますから、足底の圧力をドイツ式の厚いオーダー・インソールにより調整します。そのため、厚い中敷きの取り外せるドイツ整形靴が最も優れています。
整形靴のベロの部分を骨の隆起部に合わせて削り、当たらないように加工します。
足の甲の骨が尖っているために、強い痛みがある場合には、厚い中敷きの交換できるサンダル型の整形靴を用いて、ストラップを加工して当たらないようにします。| 変形性リスフラン関節症の手術は? |
手術せずに、靴とインソールの調整により痛みが取れる事が多いので、手術は一般的にお勧めしません。骨の隆起が大きく、 靴による治療は痛みが軽くならない時に限り手術を行います。
同じ例の手術前のX線写真です。リスフラン関節ぶで骨の尖った隆起、つまり骨棘が見られます。
骨棘の切除、術後です。| 文献 |